点滴療法 Intravenous Drip
脂肪由来間葉系幹細胞点滴療法とは Stem Cell Drip Therapy
脂肪由来間葉系幹細胞(Adipose-Derived Mesenchymal Stem Cells, AD-MSCs)は、患者様ご自身の脂肪組織から採取された幹細胞を用いる再生医療の一つです。近年、この幹細胞療法は慢性的な痛みの緩和、組織の再生、そして免疫機能の調整といった分野で注目を集めています。特に、脂肪由来の幹細胞は他の幹細胞に比べて採取が容易であり、安全性が高いという特徴があります。
脂肪組織には多くの間葉系幹細胞が含まれており、これらの細胞は体内の環境に応じて適切な治癒機能を発揮し、自己修復力を高めることが期待されています。
期待される効果
脂肪由来間葉系幹細胞の点滴療法には、以下のような効果が期待されています。
- 1.免疫機能の調整
- 幹細胞は免疫調整作用を持ち、炎症を引き起こす細胞(Th1型細胞)の活動を抑制し、炎症を抑える細胞(Treg型細胞)を促進することで、慢性的な炎症疾患の軽減が期待されています。これにより、自己免疫疾患やアレルギー疾患における免疫バランスの調整に寄与する可能性があります。
- 2.組織再生の促進
- AD-MSCsはさまざまな成長因子を分泌し、組織の修復と再生をサポートします。損傷した部位に集まった幹細胞が、血管内皮増殖因子(VEGF)や肝細胞増殖因子(HGF)などを放出することで、新たな血管の形成や損傷組織の修復を促進します。これにより、関節疾患や筋骨格系の損傷の改善が期待されます。
- 3.アンチエイジング効果
- 幹細胞が分泌するサイトカインやエクソソームは、細胞の老化を遅らせる働きがあります。これにより、皮膚の弾力性や水分保持能力が向上し、肌の若返りやシワの軽減が期待されています。美容医療の分野でも、この効果を活用した治療が注目されています。
- 4.痛みの軽減
- 幹細胞療法は、炎症性サイトカインの抑制を通じて慢性的な痛みを緩和する可能性があります。特に、関節炎や変形性膝関節症などの慢性的な痛みを持つ患者様において、幹細胞が炎症を抑え、軟骨組織の修復を促すことが確認されています。これにより、痛みの軽減と日常生活の質の向上が期待されます。
当クリニックのアプローチ
当クリニックでは、患者様一人ひとりの健康状態や治療目的に合わせたオーダーメイドの幹細胞点滴療法を提供しています。脂肪組織から採取した幹細胞は、当院併設の高度な細胞培養施設で安全に培養・加工されます。これにより、高品質な幹細胞を点滴によって体内に投与し、外科的な負担を最小限に抑えながら自然治癒力の促進を目指します。
幹細胞療法は、従来の治療法で効果が見られなかった場合でも、新たな治療オプションとして検討する価値があります。患者様の体への負担が少なく、自己修復力を高めることで、健康の維持・改善をサポートします。
安全性と効果について
脂肪由来間葉系幹細胞の点滴療法は、国内外で多くの臨床研究が行われており、一定の安全性と効果が報告されています。しかし、幹細胞治療はまだ新しい分野であり、効果や安全性には個人差があります。そのため、治療を開始する前に十分なカウンセリングと検査が必要です。
当クリニックでは、専門の医師が事前診察を行い、患者様の症状やご希望に合わせた最適な治療プランを提案いたします。治療に関するご不明点やご不安な点がございましたら、お気軽にご相談ください。
慢性疼痛とはどのような状態か? What is Chronic Pain?
モティーフ銀座クリニックでは、幹細胞の点滴療法として慢性的な痛み(慢性疼痛)に対する治療を行っています。
慢性的な痛みをお持ちの成人であれば、本治療を受けることができます。
慢性疼痛治療ガイドラインによれば、
『慢性疼痛とは国際疼痛学会で「治療に要すると期待される時間の枠を超えて持続する痛み、あるいは進行性の非がん性疼痛に基づく痛み」と定義されているが、日本での明確な定義はまだない。発症から3ヶ月以上症状が持続する状態を指す事が多い』
とされています。
慢性疼痛の原因別の分類
侵害受容性疼痛・神経障害性疼痛・心理社会的疼痛に分けられます。
しかし、これらの一つに絞られることは少なく、いろいろな要因が複雑に絡んだ混合性疼痛になっていることが多いのが現状です。この中で社会心理的な要因が強くなればなるほど、治療がうまく進まないことが多いと言われています。
慢性疼痛のある患者さんの症状や症候にはどのような特徴があるのか?
痛み以外にも多くの症状や症候を伴っていることが多く、抑うつ・不安、破局的施行、睡眠障害、社会活動の低下、自己価値観の低下、医療機関への過度な期待、治療への依存、等が挙げられます。
治療のゴールはどこにあるのか?
![QOLの向上](https://regenerative.motif-ginza.com/cms/wp-content/themes/motif/img/menu/drip_img01.jpg?v=3)
治療のゴールはどこにあるのか?
次の4つを最終目標としています。
- ① 機能的能力、身体的・精神的健康を向上させる。
- ② 患者さんの生活の質(Quality of Life;QOL)を向上させる。
- ③ 副作用を最小化させる。
- ④ 痛みを完全には除去できないこともあり、その場合には痛みとうまく付き合う。
全ての痛みを完全に除去するというわけにはいきませんが、動物実験や人間への投与で一定の効果は確かめられています。
![QOLの向上](https://regenerative.motif-ginza.com/cms/wp-content/themes/motif/img/menu/drip_img01.jpg?v=2)
幹細胞点滴治療は具体的にはどのような痛みに効きやすいのか?
![腰痛のイメージ](https://regenerative.motif-ginza.com/cms/wp-content/themes/motif/img/menu/drip_img02.jpg?v=2)
幹細胞点滴治療は具体的にはどのような痛みに
効きやすいのか?
- 関節リウマチによる痛み
- 腱や筋肉の痛み
- 腰痛
- 頚部痛
- 神経障害性疼痛
- 全身性の痛み
などに効果的と言われております。
その上で、効果が上がらなかったり副作用のため治療継続が難しい場合に、幹細胞治療をおすすめいたします
■ 細胞加工施設届出番号 FC3230138
治療の流れ
![初診](https://regenerative.motif-ginza.com/cms/wp-content/themes/motif/img/menu/flow_img1.jpg)
① 初診
⾃覚症状を問診で伺います。⾃⼰幹細胞治療が適切かの判断を⾏います。過去の既往歴や常備薬をお知らせください。
![細胞採取](https://regenerative.motif-ginza.com/cms/wp-content/themes/motif/img/menu/flow_img2.jpg)
② 細胞採取
⼿術室または処置室で局所⿇酔使⽤して、0.5~3g程度の⽪下脂肪を採取します。場合により⽪膚縫合します。基本的に抜⽷は不要です。
ご希望により静脈⿇酔を使⽤します。所要時間は10分程度です。
感染症やスクリーニングのために⾎液検査を⾏います。
![幹細胞培養](https://regenerative.motif-ginza.com/cms/wp-content/themes/motif/img/menu/flow_img3.jpg)
③ 幹細胞培養
モティーフ銀座クリニック併設の細胞培養室で幹細胞を培養(2週間~4週間)します。
⾎液検査で⼤幅に異常値が出て緊急を要する場合には、クリニックからご連絡いたします。
また、幹細胞治療よりも先に治療を⾏わなければならない場合には、そちらを優先していただきます。
![幹細胞投与](https://regenerative.motif-ginza.com/cms/wp-content/themes/motif/img/menu/flow_img4-3.jpg)
④ 幹細胞投与
培養した幹細胞を患部に投与致します。
所要時間はおよそ30分~60分程度です。
![再診](https://regenerative.motif-ginza.com/cms/wp-content/themes/motif/img/menu/flow_img5-3.jpg)
⑤ 再診
治療後の経過について、診察致します。
場合によってはオンラインでも可能です。
医療費控除について
医療費控除とは、1年間(1月1日〜12月31日までの間)に10万円以上の医療費を支払った場合に受けられる控除です。
確定申告が必要になりますので、当院で発行する領収書を大切に保管しておいてください(領収書の再発行はできません)。
医療費控除や確定申告について不明な点がありましたら、お近くの税務署までお問い合わせください。
担当医師について
![担当医師の写真](https://regenerative.motif-ginza.com/cms/wp-content/themes/motif/img/doctor_sotozakinorikazu_s.jpg)
担当医師について
モティーフ銀座クリニックには、これまでに大手美容外科クリニックの院長を歴任してきた医師が在籍しています。再生医療の症例も数多く経験し、培った技術で患者様の悩みを解決いたします。